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シンガポールで法人設立する手順は?費用やメリットなどを徹底解説

シンガポール 法人設立

海外進出の候補国としてよく挙げられるのがシンガポールです。英経済紙の「Economist Intelligence Unit」が発表した「ビジネス環境ランキング2023」においてシンガポールが15年連続で首位を獲得していることからもわかるように、シンガポールは法人設立や会社経営に優れた国として認知されています。特に魅力的なのが低い法人税(17%)と優れたビジネス環境。他にも様々なメリットがあることから、シンガポールへの法人設立を検討している方も多いことでしょう。

本記事では、シンガポールで法人設立する手順や費用、メリットなどを詳しく説明いたします。また、シンガポールで法人設立をスムーズに進めるためのエージェントの活用や選び方もご紹介いたします。

参照:Business environment rankings – Economist Intelligence Unit

この記事でわかること
  • シンガポールでの法人設立手順と詳細
  • シンガポールでの法人設立費用
  • シンガポールの就労ビザ申請方法や費用
  • シンガポールで法人設立するメリット・デメリット
  • エージェントの活用法や選び方
目次

日本企業のシンガポール進出状況

外務省が毎年報告している海外進出日系企業拠点数調査によれば、シンガポールに進出している日本企業数は2013年には757社で、2022年には1,084社であったと報告されています。シンガポールに進出する日系企業はここ数年で増えていることがわかります。

参照:海外進出日系企業拠点数調査|外務省

一方で、ジェトロが発表した「2023年度海外進出日系企業実態調査|全世界編」によれば、シンガポールに進出した日系企業の営業利益見込みは黒字が67.6%、均衡が18.7%、赤字が13.8%で前年よりも多少の悪化がみられるとのこと。また、以下のような理由で、事業縮小を図っている企業もあります。

事業「縮小」の主な理由

  • 物価高により積極的に商流変更を検討(大企業・販売会社)
  • 駐在員の派遣が困難(コスト、ビザ要件等)(大企業・販売会社)
海外進出日系企業実態調査|全世界編 – ジェトロ

シンガポールは法人税が安く、また外資系企業の受け入れ態勢が整っているなどのメリットがあることから、日本企業にとって魅力的な条件が揃っています。ただし、ビザやコスト(特に固定費や人件費)に悩んでいる企業も多いことから、シンガポール進出は計画的に行う必要があります。

シンガポールで法人設立する手順

シンガポールで法人設立する手順と予想される日数をまとめました。何か問題が発生した場合は想定よりも長い期間が必要になるため、スケジュールに余裕をもって実施するようにしてください。

シンガポールで法人設立する手順と期間
  1. 企画(進出形態の決定を含む)<1カ月~>
  2. 事前準備<2週間~>
  3. 法人設立登記<1日~数週間>
  4. 銀行口座開設<1ヵ月~>
  5. 不動産契約<数日~>
  6. 就労ビザの申請・取得<3週間~>
  7. 稼働開始

企画(進出形態の決定を含む)

シンガポール進出のメリットやデメリットをよく吟味したうえで、シンガポール進出計画を立てていきます。シンガポール進出において特に重要なのは企業の進出形態です。なぜなら、進出形態によって設立方法や享受できる優遇税制が異なるからです。企画を行う場合には、できる限り早く進出形態を決定したうえで、予算やスケジュール、戦略などを決めていくとよいでしょう。

シンガポール進出の進出形態は現地法人、支店、駐在員事務所の3つで、それぞれ以下のような特徴があります。

現地法人

シンガポールに親会社とは独立した法人を設立するのが「現地法人」です。シンガポールの法人税は17%ですが、外資企業誘致に関連した軽減税率なども適用できるため、実質税率は10%以下になることも。一方デメリットとして、シンガポールの法人経営ルールに則って運営する必要があるため、正しい理解と必要に応じた人員配置などが必要になります。

支店

日本にある親会社の「支店」として法人設立する方法です。シンガポールでは支店も法人格を有しているため、現地法人と同様の経営が可能です。支店は管理・運営面において必要な作業を削減できるというメリットがありますが、現地法人とは異なり法人税の優遇措置が受けられないというデメリットがあります。

駐在員事務所

独立した法人格を持たない調査拠点が「駐在員事務所」です。駐在員事務所は収益につながる活動が禁止されているのに加え、活動範囲において様々な制限を受けます。一方で、法人の設立自体は3つの中で最も容易です。数年後にシンガポールに進出を検討している企業が、現地での事前調査を行う際などに利用されます。

基本的には、シンガポールにおいて営利目的のビジネスをしたい場合には現地法人の設立がおすすめです。

進出形態の決定に加えて、会社名も決めておくとよいでしょう。シンガポールでは他社と同名もしくは使用が不適切と判断された会社名は用いることができません。簡単な確認であれば会計企業規制庁(ACRA)のウェブサイトで法人名利用の可否が確認できます。また、120日間であれば会社名の予約ができるため、これについても企画時に実施しておくことをおすすめします。

参照:Choosing a Company Name – Singapore -Accounting and Corporate Regulatory Authority-

事前準備

法人設立に必要な書類を作成します。シンガポールでは中国語やマレー語、タミル語など様々な言語が利用されますが、法人設立関連の書類作成ややりとりは基本的に英語です。進出形態によって必要書類が異なるため、今回は現地法人を設立した場合の必要書類について説明します。

シンガポール現地法人設立においては、定款を作成することが義務づけられています。オリジナルでゼロから作成しても問題ありませんが、時間短縮や漏れを防ぎたい場合にはACRAが提供している標準定款を基に作成するのがよいでしょう。日本では定款に書かれていない事業は行えないなど厳しいルールがありますが、シンガポールはそこまで厳しくなく、新規事業が加わっても急いで定款を変更する必要はありません。ただし、できる限り修正が発生しないように、最初の作成時に正確なものを作成しておくようにしてください。

参照:model-constitution-for-pte-ltd-company-(standard-3).pdf -Accounting and Corporate Regulatory Authority-

また、定款に加えて以下の書類を準備する必要があります。

  • 第1回取締役会決議の議事録
  • 取締役就任宣誓書(Form 45)
  • 株主代理人の選定書
  • 取締役および株主代理人の氏名、ID ナンバーならびに住所に関する情報
  • 実質的支配者のパスポートコピーならびに住所に関する情報

これらの資料やコピーを集めるのに時間がかかる場合があるため、できれば事前に把握したうえで準備を進めていきましょう。第1回取締役会決議は、書面会議でも代替できることになっています。

法人設立登記

必要な書類が揃ったら、法人設立登記を進めます。法人登記はACRAのWebサイト上で申請でき、問題がなければその日のうちに登記完了通知が届きます。ただし、申請内容によっては審査に回され、結果がわかるまでに2~3週間かかる場合があります。また、当然ながら内容によっては登記申請が却下されます。

参照:Accounting and Corporate Regulatory Authority

法人登記が完了したら銀行口座の開設やオフィス契約、必要に応じたビザ申請などを進めていきましょう。

銀行口座開設

登記が完了したらすぐに行いたいのが銀行口座開設です。法人用の銀行口座は会社運営に必須ですが、近年口座開設の審査が厳しくなってきており、予想以上に時間をとられる場合があります。シンガポールで利用できる銀行の種類は主に以下の3つです。

  • シンガポールの地場銀行
  • シンガポールに進出している日系銀行
  • 国際銀行(特徴は銀行によって異なる)

シンガポールの地場銀行はシンガポール内に多くのATMや支店があるのに加え、政府や各企業への支払いにも対応しているため、口座開設できれば様々なメリットを享受できます。一方で、現地での手続きや署名が必要など、口座開設の難易度は高くなっています。

シンガポールに進出している日系銀行には三菱UFJフィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループなどがあるため、これらの銀行で口座開設することも可能です。シンガポールの地場銀行と比べると口座開設は比較的容易な反面、利便性に関しては劣ります。また、日本とシンガポール間で送金を行う際には都度手数料がとられるのに加え、銀行ごとの為替レート(実際よりも若干悪いことが多い)が適用されるため、送金を頻繁に行う企業は注意が必要です。

オフィス契約

シンガポールでビジネスを行うためには、拠点となるオフィスが必要です。しかしながら、登記が完了してからでないと法人名義の賃貸契約ができないため、登記が終わり次第、正式なオフィス契約を行うとよいでしょう。シンガポールのオフィス契約は2~3年契約が基本で、大きなオフィスであれば5~6年の契約ができる場合もあります。また、バーチャルオフィスやエージェント所有物件の住所貸しサービスなども利用可能です。

オフィス契約は登記が完了してからでないと契約できないものの、候補となるエリアの物件は事前に確認し、所有者とコンタクトを取ったり、費用の見積もりを算出したりする作業は進めておいた方がよいでしょう。

就労ビザの申請・取得

法人を設立したとしても、シンガポールでの就労が許可されたビザがないとシンガポール国内で働けません。法人登記が完了していれば就労ビザを申請できます。

シンガポールで就労が許可されているビザは複数ありますが、基本的には「Employment Pass (EP)」と呼ばれるビザを取得します。就労ビザの取得条件確認や申請はすべて「Ministry of Manpower」と呼ばれる政府機関のサイトで行います。EPの条件および申請ページは以下の通りです。

参照:Employment Pass – Ministry of Manpower –

シンガポールは外資企業の誘致を積極的に行っているものの、ビザの許可についてはかなり厳しくなってきています。例えば、EPを申請するには月間で最低5,000シンガポールドル以上(セクターや年齢で異なる)の収入が必要なため、一定以上の給与を確保できない企業は従業員のEPを取得できません。ほかにも、ビザ取得者の資格や経歴などが求められており、条件を満たした場合のみEPが発行されます。

昨今、シンガポールに進出した日系企業が困難性を抱えているのがこの就労ビザの取得です。基本的には就労ビザの申請から取得までは3週間ほどで完了しますが、申請が通らずに数ヶ月かかる、もしくは最終的にビザが取得できないという事例が発生しています。自社だけでの対応が難しい場合には、シンガポールでの就労ビザ取得に強いエージェントの利用を検討したほうがいいでしょう。

稼働開始

上記の準備が完了したらシンガポール法人を稼働できます。現地のルールに従いつつ、計画的に実施していきましょう。ただし、シンガポールの法人設立や経営、ビザに関する要件は頻繁に変更されます。例えば、就労ビザで紹介した最低月額給与においては、2025年1月から引き上げられることが決まっています。常に最新の情報をチェックするようにしてください。

EPの新規申請について、2025年1月1日から同パス発給基準となる最低基本月給を現行の5,000シンガポール・ドル(約55万5,000円、Sドル、1Sドル=約111円)から、5,600Sドルに引き上げる。

外国人の幹部・専門職向け就労査証の発給基準、2025年から引き上げ(シンガポール) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース

シンガポールでの法人設立にかかる費用

シンガポールでの法人設立にかかる費用は以下の通りです。シンガポールは他の国と比べてオフィスレンタル費用や人件費が高い傾向にあるため、事前に必要な広さやスタッフ数を確認し、まずは必要最低限からスタートするのがよいでしょう。

項目費用相場詳細
事前リサーチ費用必要に応じてシンガポール進出に関する事前調査費用。すべて自社で実施する場合は追加費用は発生しないが、外注した場合などには依頼に応じた費用が発生。また事前にシンガポール現地の調査を行う場合には、渡航費や宿泊費などが必要。
法人登記費用315S$~会社名の申請時に、名称1つあたり15シンガポールドルが必要。法人登記をACRAのウェブサイトで申請し許可が下りた場合には手数料として300シンガポールドルが求められる。
最低資本金1S$~シンガポール法人の最低資本金は1シンガポールドルだが、従業員の給与やビザ申請、オフィス契約などに費用が発生するため、50,000シンガポールドル以上を確保しておくとよい。
就労ビザ申請費用330S$~EPビザの場合には、申請手数料として105シンガポールドル、ビザ発行手数料として225シンガポールドルが必要(2024年5月時点)。最新の情報はACRAの申請ページで確認すること。
オフィス賃貸料数万S$~オフィスレンタルの敷金やオフィス利用料など。オフィスの広さによって費用は大きく異なる。また、シンガポールでは半年から数年分のオフィス利用料を一括で払う場合もあるため、事前に確認するとよい。※1
その他必要に応じて役員や現地取締役への報酬、秘書や従業員への給与などが必要。従業員数が多い場合には総人件費が高額になる場合あり。※2
(利用した場合)
エージェント報酬
要相談エージェントに依頼した場合の報酬。エージェントによって異なる料金プランを設けているため要確認。※3

※1 シンガポールは不動産価格が高いことで有名で、オフィスのレンタルに関しても高額な費用が発生します。例えば、小さな部屋をレンタルしただけでも、月に1,500シンガポールドル程度かかります。契約によっては敷金や6か月以上のオフィス費用を一括で支払う必要があるため、総額で数万シンガポールドルが必要になることもあります。もしオフィススペースが必要ない場合は、バーチャルオフィスや住所借りサービスを利用して安価に済ませる方法もあります。

※2 シンガポールで現地法人を設立した場合には、現地の取締役を1名以上選出する必要があります。また6か月以内に会社の秘書役を選任する必要もあります。

※3 法人設立や事前リサーチ、ビザ取得などをエージェントに依頼した場合には、業務内容に応じた報酬が発生します。費用はエージェントやサービス内容によって大きく異なるため、事前に確認してください。現地法人設立をトータルで依頼した場合には、だいたい諸経費込みで5,000シンガポールドル~の費用が発生します。

日本企業がシンガポールで法人設立するメリット

英経済紙の「ビジネス環境ランキング2023」でシンガポールが首位に立っていることからもわかる通り、シンガポールでの法人設立には様々なメリットがあります。中でも法人税が17%であること、シンガポール政府が外資を積極的に誘致している(軽減税率が利用できる)ことなどは、シンガポールで法人設立をする大きなメリットといえます。

法人税率が低い(17%)

シンガポールの法人税は、2024年4月時点で、居住法人、非居住法人ともに17%です。

2010賦課年度より、法人税率は居住法人・非居住法人ともに 17%に引き下げられた

シンガポール税制の概要 – 【2023年改訂版】 – JETRO –

また、条件を満たせば様々な軽減税率が利用できるため、実効税率では10%を切る場合もあります。この法人税の低さがシンガポールで法人設立する最大の魅力といえます。

インフラが優れている

シンガポールは、ネット環境や交通インフラが世界的にも優れていると評価されており、国内・国外ビジネス両方において優れたビジネス環境を有しています。空港から市街地までも車で20~30分程度のため、海外出張が多い企業にとっても魅力的です。

また、シンガポールは東南アジアのハブ空港とも呼ばれており、物流の中継地として大きな役割を果たしています。今後東南アジアや世界各国をターゲットにしたビジネスをしたいのなら、シンガポールに拠点を持つことは大きなメリットといえます。

外資企業の受け入れ体制が整っている

シンガポール政府は外資系企業の進出に積極的です。メディアや軍事産業、電気・ガスなど、一部のセクターにおいては外資規制されているものの、それ以外であれば外資系企業でも容易に参入できる環境が整っています。また、外資系企業だけが恩恵を受けられる優遇政策も複数あります。

日本人が安全に生活できる基盤が整っている

日本は世界でも稀なきれいで安全な国のため、他国に行くとビジネス・生活面で不安を覚えるということも少なくありません。シンガポールは面積こそ狭いものの、非常に洗練された都市が広がっています。犯罪も少なく、日本人が安心して生活できる環境が整っています。シンガポール政府は賄賂などがないクリーンな政府としても知られているため、利権がらみの問題も発生しにくいのが魅力。地震や台風の発生も少ないため、安心して生活できるでしょう。

富裕層が多い

データ分析会社であるAltrataの「World Ultra Wealth Report 2023」によれば、純資産3,000万ドル以上持つ富裕層の居住都市ランキングにおいて、シンガポールが第7位にランクインしています。さらに驚くことに、前年からの富裕層人数変化率においては13.4%アップと他国から突出しています。この理由の1つとして、法人税が安い、タックスヘイブンがしやすいなどの理由で、多くの富裕層や起業家がシンガポールに移住しているためと考えられます。シンガポールには資産に余裕がある富裕層が多く住んでいるため、ある程度高額な商品であっても、商品やサービスの魅力次第で売上数を伸ばすことが可能です。

参考:World Ultra Wealth Report 2023 – Altrata –

シンガポール法人設立におけるデメリット・注意点

シンガポールでの法人設立は様々なメリットがありますが、一方でデメリットや注意点も存在します。特に、シンガポールではオフィス費用や人件費が高くなりがちなため、法人を維持・運営していくためにある程度の資本が必要なことは理解しておくとよいでしょう。

維持費がかかる

費用の欄でも触れましたが、シンガポールではオフィスレンタル費用が日本よりも高くなるのが一般的。また、現地でスタッフを雇おうとすると、日本と同程度の給与支払いが必要です。そのため、売上のめどが立たない状態で法人設立してしまうと、毎月発生する固定費や人件費により、経営が困難になる可能性があります。

英語や現地語でのやりとりが必要

シンガポールで快適に生活、もしくはビジネスを行うためには高い英語力が必要です。しかしながら、中には英語が話せずに、中国語やマレー語、タミル語などでのコミュニケーションが求められる場合もあります。すべての言語に精通している必要はありませんが、状況に合わせて対応できるスキルやコミュニケーション能力は求められるでしょう。

競合が多い

シンガポール政府が外資系企業を積極的に誘致していることもあり、シンガポールには世界中から多くの外資企業が集まっています。つまり、競合が多く、ビジネスを成功させるには優れた商材やマーケティング力が求められます。日本の製品やサービスはシンガポールでも高く評価されていますが、言語の壁やマーケティング手法の違いなどにより、売上を伸ばせずに苦しんでいる日本企業も多くあります。シンガポールに法人を設立したからといって必ずしもうまくいくわけではありません。

シンガポール法人設立はエージェントを依頼したほうがいい?

シンガポールでは多くの手続きがオンラインで完結できるため、シンガポールに精通している方であれば、エージェントを通さずに法人設立することも可能です。しかしながら、シンガポールには日本とは異なる法人設立ルールや会社運営に関わる規則があるため、自社だけで実施する場合には、関連書類や政府サイトに隅々まで目を通す必要があります。

一方で、以下に該当する企業は、エージェントを利用するのがおすすめです。

エージェント利用がおすすめな企業の特徴
  • 自社だけでの法人設立が不安
  • シンガポールにあまり詳しくない
  • 英語スキルが不足している
  • 手続きの時間を省きたい
  • できる限り早く法人設立したい
  • シンガポールに渡航せずに法人設立したい

エージェントへの依頼は確かに報酬が発生しますが、必要な業務を委託できるため自社のリソースを割く必要がなく、結果として安価にかつスピーディに法人設立ができる場合もあります。また、自社だけでは気づけない戦略やポイント、注意点などを提案・指摘してくれます。エージェントが提供してくれるサービス内容や費用と、自社にとってのメリットを比較し、利用するかどうかを決めるとよいでしょう。

シンガポール法人設立におけるエージェントの選び方

シンガポールの法人設立が依頼できるエージェントは主に以下の3種類があります。

シンガポール法人設立におけるエージェントの種類
  • コンサルティング会社
  • 会計事務所
  • 法律事務所

「コンサルティング会社」は、市場調査や戦略立案などを得意としています。シンガポールに法人設立をしたいが具体的な方策が定まっていないという企業は相談してみるとよいでしょう。「会計事務所」は、シンガポール法人の運営で必須の会計・税務対応に優れています。法人設立後にも会計・税務に関する業務を委託したい企業や節税対応に力を入れたい企業におすすめです。「法律事務所」は法務分野に強いことから、海外においても安心安全の経営が可能です。シンガポール進出で問題が発生しブランディングが悪化するのを避けたいという企業は法律事務所に依頼するとよいでしょう。

また、選ぶエージェントによって法人設立までにかかる期間や費用、サポート範囲、対応力などが大きく異なるため、以下の項目を考慮しつつ、慎重に選ぶようにしましょう。

エージェント選びのポイント
  • シンガポールでの法人設立経験が豊富
  • シンガポール法人設立に関して適切な情報を公開している
  • シンガポール法人設立の最新情報に対応している
  • 適切な費用(手数料)が設定されている
  • 口座開設の保証をしてくれる
  • 会計面の相談にものってくれる
  • visaの発行に関する費用も明確に含まれている
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