フィリピンの法人設立におすすめな代行会社7選！費用や選び方も丁寧に解説

フィリピンは条件を満たすことで数年間法人税が無料になる、英語でのコミュニケーションが可能、長期にわたる人口増が期待できるなど、海外進出を行う上で魅力的な条件が揃っています。

しかしながら、海外で法人を設立し、運営するのは簡単ではありません。実際、多くの日系企業がフィリピンに進出しているものの、早期撤退する企業も後を絶ちません。特にフィリピンの法人運営ルールは非常に複雑なため、自社だけで対応するのではなく、フィリピンに精通した代行の力をうまく利用するのが成功の鍵。

本記事では、フィリピンでビジネスを成功させるための代行の選び方やおすすめ企業について紹介します。フィリピン進出を検討中の方はぜひ参考にしてください。

フィリピンでの法人設立が人気なのはなぜ？

フィリピンでの法人設立が人気な理由の1つは、条件を満たすことで、非常に大きな優遇税制を受けられることです。PEZA（フィリピン 経済区庁）に認定されたエコゾーン（輸出加工区）内の企業であれば、3～6年間法人所得税が免除されるほか、関税などに関する免税・減税などの各種恩恵が受けられます（企業セクターによって内容が異なる）。

他にも、以下のようなメリットがあるため、フィリピンは日本企業の進出が多い国の1つとなっています。

• 長期にわたる人口ボーナスが期待できる
• 日本から直行便1本で行ける
• 英語が公用語の1つ
• 親日国でビジネスがしやすい
• コストが日本よりも安い

フィリピンにおける法人設立のメリットや手順、費用などについては、以下の記事にまとめておりますので、合わせてお読みください。

フィリピンの法人設立時に直面する問題とは？

フィリピンでの法人設立は人気な一方で、法人設立が上手くいかない、想定以上に時間がかかった、非常に複雑でややこしいなどの話もよく聞きます。フィリピンで法人設立をする際に日系企業が頻繁に直面する問題は以下の通りです。

• 法人設立がスケジュール通りに進まない
• 言語の壁
• 専門家の質がまちまち
• 費用の事前提示がない
• 騙される

法人設立がスケジュール通りに進まない

「フィリピンタイム」という表現があるほど、フィリピンには独特の時間感覚があります。これはフィリピン人が時間を守らないことを揶揄した言葉ですが、ビジネス面においてもこのフィリピンタイムが頻繁に発生し、日系企業を困らせます。

フィリピンで法人設立をするためには役所やオフィスの管理者、税理士など、様々な人々とやりとりを行う必要があります。担当者が午後に電話する、といったのに電話が来ず、こちらから電話をしてもつながらない。最終的に電話が来て物事が進んだのは2日後だった、といった事例も聞きます。

また、担当者によって必要書類や対応が変わるなど、ルールが徹底されていないのもフィリピンの特徴。前回はいわれなかった書類を要求され、再度資料集めに帆走する、ということは日常茶飯事です。これらにより、フィリピンでの法人設立が予定よりも遅れてしまうことが多々あります。

言語の壁

フィリピンでは、当然のことながら日本語が通じません。法人設立に関する手続きは、すべて英語で行う必要があります。独自の言語を持つ国と比べると多少は容易ともいえますが、法人設立や税務に関する難解な内容をすべて理解するのは簡単ではありません。

また、英語は公用語の1つとはいえ、すべての国民が英語を話せるわけではありません。例えば、地元企業に対してオフィスを貸し出している不動産会社の場合、英語でのコミュニケーションがスムーズにいかず、手続きが難航する可能性もあります。

フィリピンで法人を設立する際には、英語が堪能な人材を確保しておくと同時に、できればフィリピン語（タガログ語）や地元に精通した人材の雇用やサポート依頼も検討しておくとよいでしょう。

専門家の質がまちまち

フィリピンでは専門家と呼ばれる業種の人々であっても、思ったような業務を行ってくれないことが多々あります。例えば、弁護士に会社定款や就業規則の作成を依頼しても期限までに作成してくれない、印刷された会社名が間違っており政府に提出できないなどの問題が生じえます。

また、フィリピンでの会計・税務をスムーズに実施するために会計事務所に依頼したものの、決算時期になっても全く連絡をもらえず、さらにはこちらが提出したレシートをなくしてしまった、という話も聞きます。

もちろん、優秀な専門家であればこのような問題は避けられますが、フィリピンの専門家のレベルはまちまちのため、信頼できるビジネスパートナー探しが非常に重要です。

費用の事前提示がない

フィリピンでは、商品やサービスの値段を事前に共有してもらえないことが多々あります。いいなと思って検討していたオフィス家具の値段が、思っていた価格の数倍することも。事前に値段が記載されていれば問題ありませんが、記載がなく、かつ定員ともうまくコミュニケーションが図れず、予算とは異なる商品を購入せざるを得ないこともあります。

特に人的サービスの費用は、事前の費用提示がないことがほとんどです。中には日系企業だからと、通常の価格よりも高い値段を提示されることもあります。事前にこれぐらいと聞いていたのに、作業後に高額な費用を要求されることもあるため、注意しましょう。

騙される

フィリピンには外資系企業をだまして利益を上げようとしている悪質な企業や団体もあります。事前に費用を要求されて支払いをしたものの、期日になっても作業が開始されず、オフィスを訪問したら空っぽだった、というケースです。

日本であれば最新の注意を払って契約すると思いますが、異国の地では現地ルールがわからず、曖昧な状態で契約を済ませてしまうことも多々あります。フィリピンでの法人設立は、やはり現地に詳しい人の助けを借りつつ行うのがよいでしょう。

フィリピンの法人設立で代行会社を利用するメリット・デメリット

フィリピンでの会社設立をスムーズに進めたい場合には、代行会社に相談したり、一部業務を依頼したりするのがおすすめです。フィリピンの法人設立に精通した代行会社に依頼することで、以下のようなメリットを享受できます。

• スムーズかつ短時間で法人設立が可能
• 申請ミスによる罰金や追徴課税を避けられる
• 最新の税制ルールや変更に対応できる
• 会社設立に関する業務を大幅に削減できる
• 信頼できる専門家を見つけられる、仲介してもらえる
• フィリピンに根差したマーケティングサポートが受けられる
• 現地に詳しい人材とマッチングしてもらえる
• 現地の相場価格でサービスが受けられる
• 困ったときに気軽に相談できる

フィリピンではオンラインでの手続きや対応も増えてきたものの、人と人が直接かかわってやりとりをする機会が依然として多くあります。そのため、現地をよく理解している、政府機関などと良好な関係性を構築している代行会社との連携が非常に重要です。

しかしながら、代行会社を利用するデメリットももちろん存在します。代行の利用は、依頼内容に応じた費用が発生します。また、代行会社の質が悪い場合、お金を余計に払っているのにも関わらず作業がなかなか進まない、という状況に陥ることも。自社に法人設立ノウハウが蓄積されないこともデメリットといえるでしょう。

フィリピン法人設立における代行会社の選び方

フィリピンでの法人設立で代行を利用するのはメリット・デメリットがありますが、安全かつスムーズに法人を設立したいのであれば、やはり代行の利用がおすすめです。ただし、どの代行に依頼するのかは非常に重要です。

以下に代行選びのポイントを紹介しますので、しっかりと検討した上で決定するようにしてください。

• 実績
• 専門性
• サービス・サポート内容
• 費用
• 信頼性

実績

フィリピンでの法人設立は、フィリピンで法人設立をした経験が豊富な代行に依頼するのがおすすめです。法人設立のルールは、国によって大きく違います。東南アジアにある他の国で法人設立したことがあるからといって、フィリピンでの法人設立に強いか、と聞かれたら答えは「No」です。

そのため、フィリピン法人設立のサポート経験をしっかりと確認しましょう。フィリピンでの法人設立サポートに関して複数の実績がある企業であれば、手続きや書類作成のポイントなどを理解しているため、スムーズかつ短時間で法人設立が可能です。

一方で、海外法人設立経験は豊富だがフィリピンでの実績はない、もしくはサポート実績が1～2件程度という場合には、期待する成果が得られないことがあるため注意しましょう。

専門性

依頼する代行会社のタイプや専門性によって、受けられるサービスの内容が大きく変わります。海外進出に関する代行会社の種類は主に以下の3つです。

• 弁護士事務所
• 会計・税務事務所
• コンサルティング会社

例えば弁護士事務所では、法務に則った安心・安全の法人設立が得意です。大企業による海外進出など、費用はかかってもいいので確実な法人設立を行いたい方におすすめです。

法人設立では会計や税務の理解や適切な対応が求められます。自社でフィリピンでの会計・税務に対応できる人材を準備するのが難しい場合には、会計事務所・税理士事務所など、会計・税務に関する助言や業務を代行している会社に依頼することで、法人設立後の運営もスムーズになるでしょう。特にフィリピン進出において最大限節税を図りたいという方には、会計事務所や税理士事務所に依頼するのがおすすめです。

フィリピン進出を成功させるためにマーケティングに力を入れたい企業は、コンサルティングに強い代行会社に依頼するのがおすすめです。コンサル企業では、市場の調査から戦略立案、マーケティング全般のサポート、必要な人材の確保まで、広範なサポートが受けられます。

法人設立の代行会社は、得意とする分野や専門性を備えていることがほとんどのため、自社の課題に合った代行会社を選ぶようにしましょう。

サービス・サポート内容

代行会社が提供するサービス・サポート内容をしっかりと確認しましょう。

例えば、法人設立にだけ対応している会社は、法人設立後のサポートを行っていないことがあります。しかしながら海外では、法人設立はあくまでもスタートで、それ以上にどう運営するのかが重要です。もし継続したサポートを受けたければ、最初から運営サポートも行っている会社を選ぶとよいでしょう。

また、トータルサポートやワンストップサービスは、すべての業務を代行してくれるため非常に便利ですが、どのようなサービスが含まれているのかを確実に確認してください。依頼したいサービスが含まれていない場合、別途費用がかかったり、そのためだけに他の会社に依頼しなければならなかったりする可能性があります。

費用

できるだけ安い費用で依頼したいと考える方が多いと思いますが、基本的にはサービス内容と費用は比例します。安いサービスでは、専門性の低い人材が業務を行っていたり、実務をフィリピン人がすべて代行して日本品質のサービスが受けられなかったりする可能性があります。

もちろん高額な請求は避けたいところですが、安さだけを重視して代行会社を選ぶのはおすすめしません。代行会社の実績やサービス内容、対応力などをトータルで確認し、予算感に見合った信頼できる会社を見つけるようにしましょう。

信頼性

フィリピンでは、代行会社の信頼性についてもチェックしてください。先にも述べたように、フィリピンにはフィリピンタイムという時間感覚が存在します。約束した時間や期日までに連絡がもらえないことは日常茶飯事です。

日系の代行企業であれば大丈夫だと思いますが、その代行会社が現地のフィリピン人会社に一部業務を依頼していた場合などには、このフィリピンタイムが発生し、事業をスムーズに行えない場合もありえます。

そのため、契約前に、返信はすぐに返ってくるか、約束した時間を守ってくれるかどうかなどは必ず確認しましょう。契約前に不安を感じることがあれば、その会社とは契約しないようにしてください。契約後にも同様の問題が発生し、ストレスの原因となる可能性があります。

フィリピン法人設立でおすすめの代行会社7選

フィリピンでの法人設立に強いおすすめの代行会社7選を紹介します。下記表は、それぞれの会社の特徴やサービス内容を簡単にまとめたものです。ぜひ参考にしてください。

会社名	特徴	サービス内容
株式会社オフシェアキャド	フィリピン進出や法人運営に関して15年以上の実績あり。	法人設立、税務代行、給与代行、ビザ申請代行など、法人設立から運営に必要な幅広い業務に対応可
リモンズ株式会社	観光省・退職庁公認ビザエージェントに3年連続選出される。	各種ビザ申請、会社設立に関するトータルサポート、会計・事務・法務サポートなど
GSR株式会社	フィリピンで様々な事業を展開するコンサル会社（メインは不動産業）。現地に則したマーケティング戦略立案が得意。	法人設立に関するコンサル、オフィス用不動産の提案、現地のリサーチ対応ほか
Valueasia Philippines, Inc.	外国人によるフィリピン法人設立（日系企業以外でも）に関して豊富な実績あり。サービス内容も幅広い。	法人設立に関する各種代行、現地視察やビジネスにおける困りごと相談など多岐にわたる
エクスプレッションジャパン合同会社	日本とフィリピンに拠点を構えるフィリピン進出サポート企業。オフィスレンタルや内装にも強いため、店舗型のビジネスにおすすめ。	フィリピン法人設立プラン、PEZA申請各種代行、オフィスの内装工事ほか
株式会社エボリューションアンドクリエイト	Web制作と海外進出のサポートを行っている企業。マニラでの法人設立は20万ペソ（54万円）～で可。	フィリピンでの法人設立代行、Webサイト設計、現地アテンドほか
株式会社クロスインデックス	フィリピンでの市場調査や法令調査などに対応。精度の高い調査会社を探している方向け。	フィリピンにおける競合調査、企業調査、マーケティング調査、法令調査、政策調査ほか

株式会社オフショアキャド

「株式会社オフシェアキャド」は、フィリピン進出に関する各種サービスの提供を15年以上にわたって行っている会社です。日本法人とは別に、フィリピンにも現地法人を有しています。従業員のほとんどがフィリピン人のため、現地のルールに則って法人設立や法人運営ができるのが魅力の1つ。サービス内容と費用が明確に記載されているため、安心して依頼できます。

法人設立後も、ビザ申請や税務業務、事務業務、従業員雇用に関する給与計算などを代行依頼できます。フィリピンでのビジネスで不安を抱えている方におすすめの代行会社です。

費用相場	14万ペソ（37.8万円）～
サービスURL	https://www.offshore-management.com.ph/

リモンズ株式会社

「リモンズ株式会社」は、フィリピンのマカティに本社を構えるフィリピン進出サポート会社です。観光省・退職庁公認ビザエージェントに3年連続で選ばれるなど、フィリピンの政府機関からも信頼を獲得している企業です。特に強いのは各種ビザの申請手続きですが、ビジネスサポートとして、法人設立や設立後の会計・税務・法務サポート、各種コンサルなどを行っています。

法人設立に関しては、すべてがセットになったトータルパックが15万ペソ（40.5万円）～で依頼可能。フィリピンに拠点を構える信頼できる企業に、法人設立業務をトータルで依頼したい方におすすめです。

費用相場	法人設立のトータルパック：15万ペソ（40.5万円）～
サービスURL	https://business-ph.com/

GSR株式会社

「GSR株式会社」は、フィリピンでの不動産企画や販売、転職支援、フィリピン進出サポートなどを行う会社です。フィリピンに熟知しており、最新の知見やローカライズされたマーケティング戦略などに定評があります。

フィリピン進出に関しては、得意の不動産業を活かしたオフィスリサーチや市場調査・分析、現地人に向けた適切なマーケティング方法の提案など、フィリピン進出に関するコンサル業を得意としています。フィリピン進出（特にマーケティング面）に関して相談できる代行会社を探している方におすすめです。

費用相場	要問い合わせ
サービスURL	https://www.gsr-jp.com/blog/column_flow-enterbusiness-philippines/

Valueasia Philippines, Inc.

「Valueasia Philippines, Inc.」は、フィリピンのマカティに本社を構えるフィリピン進出サポート会社です。もともとフィリピン進出を検討している各国企業のサポートを行っており、その後日本人向けにサービスを拡大したという経緯があるため、外国企業の法人設立について豊富な実績があります。

フィリピンでの法人設立に関する各種業務はもちろんのこと、フィリピンでの小さな困りごと（翻訳や通訳、現場案内、ビジネス・生活サポートなど）にも対応してくれるのもうれしいところ。サービス内容と柔軟性が高い代行会社を探している方におすすめです。

費用相場	要問い合わせ
サービスURL	https://pmlc.net/

エクスプレッションジャパン合同会社

「エクスプレッションジャパン合同会社」は、東京都に本社を構えるフィリピン進出サポート会社です。フィリピンにはマカティの本社とセブの拠点を有しており、日本とフィリピンの両方で高品質のサービスを提供しています。フィリピン進出に関するコンサルから、法人登記に関する代行（PEZAにも対応可）、オフィスの契約サポートや内装工事などに対応しています。

フィリピン法人設立に関する内容だけであれば、1ヵ月あたり15万円～でサポートしてくれるのもうれしいところ。サービス内容によっていくつかのプランがあるため、自社に合ったものを選ぶとよいでしょう。

費用相場	法人登記に関する代行プラン（ミニマム）：月15万円（最小3カ月）～
サービスURL	https://www.expression-japan.com/

株式会社エボリューションアンドクリエイト

「株式会社エボリューションアンドクリエイト」は、Webサイト設計と海外進出を2軸で行っている会社です。フィリピンに法人設立したものの、マーケティングがうまくいかずに悩む企業が多くいます。同社では、フィリピン進出とWebサイト制作やマーケティングなどを同時に依頼できるため、法人設立直後から確かな成果が期待できます。

法人設立に関する一連の業務代行はマニラであれば20万ペソ（54万円）～、その他地域やエコゾーンであれば25万ペソ（67.5万円）～で対応しています。法人設立に関する調査や現地視察のアテンドなどにも対応してくれます。

費用相場	マニラでの法人設立：20万ペソ（54万円）～
サービスURL	https://www.wbc.vc/support/philippines.html

株式会社クロスインデックス

「株式会社クロスインデックス」は、世界各国のマーケティング調査を得意としている会社です。フィリピンにも対応しており、ビジネスで重要な競合調査や市場調査、政策調査、法令調査などを代行してくれます。

他の会社のように法人設立手続きまでは対応していませんが、マーケティングに関する重要な情報を集めたい企業にとっては大きな味方となってくれることでしょう。進出を決める前に、より精度の高い市場調査を行いたいと考える企業におすすめです。

費用相場	要問い合わせ
サービスURL	https://www.crossindex.jp/country/asia/philippines/research.html