海外法人設立でFXの節税は可能?方法とメリット・デメリットを徹底解説

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FXで成功した人たちの中には、海外に法人を設立して移住したり、日本と海外を行き来しながら生活したりする人たちがいます。「海外法人設立でFX節税ができる」と聞いたことはあるものの、その仕組みがよくわからないという声をよく聞きます。

また、「FX情報を発信するインフルエンサーが海外法人設立で成功した」という情報を聞き、よくわからないまま海外法人設立を真似し、予想外の設立費や維持費に困っている人も多いようです。

本記事では、海外法人設立によって本当にFX節税ができるのかどうかをわかりやすく解説します。また、海外で法人設立する手順や注意点についても紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

この記事でわかること
  • 海外法人設立によるFX節税の可能性
  • 海外でFXの節税を図る方法
  • 海外での会社設立の手順
  • 海外法人設立の注意点

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目次

海外法人設立によるFXの節税は可能

海外法人を設立することで、FXで得た利益の節税を図ることができます。主に以下の2つの方法があります。

海外法人設立でFXの節税を図る方法2選
  • 海外法人を設立し、企業としてFXを運営する
  • 海外法人を設立後に完全移住し、海外の税制を適用する

それぞれの方法について詳しく説明します。

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海外法人を設立し、企業としてFXを運営する

海外に法人を設立し、法人口座を開設できるFXに登録して運用することで、個人所得税ではなく法人税として納税できるため、国によっては節税につながります。

FXによる利益の取扱いは国によって大きく異なるため一概にはいえませんが、例えば法人税が10%で、個人所得税が20%の国があったとすると、海外法人を設立することで、「20-10=10」%分の節税が可能です。

海外法人を設立後に完全移住し、海外の税制を適用する

海外法人を設立後、法人運営に関するビザを取得し、完全に移住する(日本の非居住者になる)ことで節税できる可能性があります。

FXに関する日本の税率は20%です(現在は復興特別所得税で0.315%が追加されるため20.315%)が、完全非居住者となることで、居住した国の税制が適用されるようになります。移住した国のFXの税率が10%だった場合、「20-10=10」%分の節税が可能です。

それぞれのメリット・デメリット

海外法人を設立し、企業としてFXを運営する場合と、海外法人を設立後完全に移住する場合のメリット・デメリットは以下の通りです。

方法メリットデメリット
海外法人を設立し、企業としてFXを運営する税制が低い国であれば節税効果が見込める
日本からでも活動が可能
場合によっては二重課税の対象となる
税制が非常に複雑
海外法人を設立後完全移住し、個人でFXを行う
(日本で非居住者になる)
海外の税制のみを考慮すればよい
日本でのコストが一切かからなくなる
日本での活動に制限がかかる
現地の税制を理解していない場合ペナルティも

海外で法人を設立し、海外FXを運用する場合には、基本的には海外の法人税ルールが適用されることになります。ただし、国によってはFXの法人化が制度として成り立っていない場合もあるため、注意しましょう。

また、この方法であれば海外法人設立後に、日本で活動することも可能です。ただし、税の支払いをどちらの国で行うべきかなどは非常に複雑なため、専門家と相談しつつ実施するとよいでしょう。

海外法人設立後に、完全に移住してしまう(日本の非居住者になる)方法は、税制面の面からすると非常にシンプルです。日本の税制は日本の居住者に対して適用されるため、一部例外はあれど、非居住者が海外でFXを行う場合には日本での課税はされません。

ただし、マイナンバーカードが使えなくなるため国内FXプラットフォームや銀行口座などが使えなくなる、日本の保険が利用できないなどのデメリットもあるため、よく考えたうえで実施するとよいでしょう。

FXと税制に関するルール

FXと税制の関係について見ていきましょう。国内FXの課税に関するルールは以下の通りです。

他の所得と区分し、「先物取引に係る雑所得等」として、所得税15パーセント(他に地方税5パーセント)の税率で課税されます(申告分離課税)。

No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係|国税庁

これに、東日本大震災の復興を目的とした復興特別所得税0.315%が2037年まで加わるため、「20.315%」というのが、日本で個人がFXで利益を出した場合の税率です。

平成24年1月よりこの税率が適用されましたが、平成23年以前は、FXの利益は雑所得として総合課税の対象となっていました。つまり、利益が増えるほど税率が上がり、最大55%もの課税がされていた時代もありました。

現在はほぼ株式と同程度の税率となっているため、国内FXによる利益追求がしやすくなったと考えてよいでしょう。

海外におけるFXのルール

海外でのFX課税ルールは国によって大きく異なります。

例えば、FXで成功した人が移住する国としてドバイが知られていますが、ドバイでは個人所得税が無料です。ドバイの居住者がFXで利益を出した場合、他国であれば発生する税金がゼロのため、利益追求に優れています。

また、シンガポールはキャピタルゲインには税がかからないというルールがあり、これはFXの利益に対しても適用されます。そのため、シンガポールに完全移住できれば、FXによる利益を丸ごと手に入れることが可能です。

海外FXとは?

海外FXとは、海外で開発されたFXプラットフォームを利用してFX取引を行う方法です。有名なFXプラットフォームに、XMTrading、Vantage、FXGT、AXIORYなどがあります。

一方で国内FXはみんなのFX、DMMFX、FXネオなどがあり、国内の企業によって運営されています。

国内で海外FXもしくは国内FXを利用した場合には、以下のように税制ルールが異なります。

項目国内FX海外FX
課税方式申告分離課税雑所得として総合課税
税率一律20.315%15~55%程度(利益に応じて)
損失繰越可能不可

そのため、個人が国内でFXを行う場合には、国内FXを利用した方が税制の面では有利になることがほとんでです。ただし、海外FXにしかない独自の機能もあるため、目的に応じてうまく使い分けるとよいでしょう。

FXの法人化とは?

FXの法人化とは、FXを個人ではなく、法人として運営する方法です。いくつかのFXプラットフォームでは、法人のみが利用できる「法人口座」を提供しています。この法人口座を利用することで、個人口座では利用できない機能が使えたり、税制の面で有利になったりします。

例えば、個人口座であればレバレッジは最大25倍ですが、法人口座であればより大きなレバレッジがかけられます(証拠金率による)。また、税率は所得税ではなく法人税の観点から定められるため、経費として計上できる金額が増えたり、法人運営に必要な役員報酬を差し引いたりできるため、結果として節税につながります。

しかしながら、FXの法人化は、出し入れの自由度が個人口座よりも下がる、税の申告がより複雑になる、法人運営に関する手続きも同時に行う必要があるなど、いくつかのデメリットや注意点もあるため、よく考えた上で実施しましょう。

海外法人を設立してFX法人化する手順

海外法人を設立し、企業としてFXを運用するまでの手順は以下の通りです(ただし、国によって法人設立の流れは大きく異なるため注意)。

海外法人設立からFX法人化の手順
  1. 事前リサーチ
  2. 法人設立
  3. 海外FXの登録
  4. 海外FXの法人運用
  5. 税務申告と支払

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1.事前リサーチ

まずは海外法人を設立する国について、丁寧にリサーチを行います。特に、FXに関する税制はどのようになっているのか、生活するのに問題はないか(日本で活動するにしても複数回は訪問する機会があるため)、法人設立の難易度や費用、法人維持にかかる手続きや必要経費などを確認しましょう。

昨今FXで成功した人たちが移住や法人設立している国は、何らかの恩恵が受けられる可能性が高いので、それらの国を中心にリサーチ・検討するのもよいでしょう。

2.法人設立

法人設立に関する準備及び手続きを進めます。法人設立の方法は各国によって大きく異なるため、その国のルールに従って実施します。基本的には、法人登記に必要な書類提出や手続きを行い、政府からビジネス許可を取得することで完了します。

3.海外FXの登録

海外で法人設立ができれば、その名義や開設した銀行口座を利用してFXの法人口座が作成できます(ただし、すべてのFXプラットフォームが対応しているわけではない点に注意)。他にも必要書類を求められる場合がありますが、法人設立した資料等があれば、問題なく通過できるでしょう。

4.海外FXの法人運用

海外FXで法人口座を運用します。海外法人口座の運用だけであれば、日本にいながら実施することも可能です。

5.税務申告と支払

海外FXで利益が出た場合、必要に応じた税務申告と支払を行います。基本は海外税制に従うことになりますが、日本在住の場合には日本での納税義務が生じる場合があります。国際税務や租税条約なども関わってくるため、事前に専門家に相談するとよいでしょう。

海外法人設立後、完全移住でFXを節税する手順

続いて、海外に法人設立後にビザを取得し、日本の非居住者となった上で完全移住を果たし、海外現地での納税ルールに従う場合の手順です。基本的には会社設立までの流れは同じですが、その後適切なビザの申請と取得、日本で非居住者の申請、FX個人口座の開設などが必要です。

基本的には海外のルールのみが適用され、日本の税制は関係しなくなるため、1つ目の方法と比べると納税の面ではシンプルです。

海外法人設立後に完全移住してFXを節税する手順
  1. 事前リサーチ(省略)
  2. 法人設立(省略)
  3. 居住者ビザの申請と取得
  4. 日本での非居住者対応
  5. 海外でFX個人口座開設
  6. 現地のルールに則って税申告と支払

3.居住者ビザの申請と取得

現地においてFXで利益を得ることが可能なビザを取得します。国によりますが、よく聞く「観光ビザ」は、国内で利益につながる活動が禁止されている場合がほとんどのため、就労や利益追求活動が可能なビザを取得します。

多くの国では、法人設立ビザや投資ビザなどが設けられており、これらのビザであれば就労や株式投資、FXなどが許可されます。

国によってビザの種類や規程が異なるため、事前リサーチの段階でしっかりと調べておくとよいでしょう。

4.日本での非居住者対応

日本で非居住者になる対応を行います。以下の手続きを完了することで、日本の非居住者となります。

  • 役所で住民票を抜く
  • 役所でマイナンバーカードや住民記帳台帳を返還する

また、他にも日本で所有している銀行口座やFX口座、証券口座などに関し必要な対応を図ったり(各社で異なる)、外務省のサイトで在留届を提出したり、必要であれば国民年金の支払いを停止したりする手続きを取ります。

手続きはそこまで大変ではありませんが、これらを実施すると日本で受けられないサービスが増えるため、計画的に実施していくとよいでしょう。

5.海外でFX個人口座開設

移住した国のルールに則り、FX口座を開設します。政府が発行したIDなどが求められますが、現地で法人設立を済ませた方であれば問題なく開設できる場合がほとんどです。口座が開設できたら個人として運用していきます。

6.現地のルールに則って税申告と支払

非居住者が海外でFXを行って得た利益は、その国の税制ルールに則って納税することになります。日本への納税は、日本に長期の一時帰国し、その際にFXを行って利益を得た場合や、日本のFXプラットフォームを何らかの理由で利用した場合など、特定の条件が当てはまる場合を除き考える必要はありません。

ただし、海外での納税は日本以上に複雑です。外国語で書かれた納税書類を確認しながら確定申告書を作成し、提出する必要があります。もし不適切な納税をした場合にはペナルティも科せられます。海外での納税が心配な人は、早めに代行会社に相談するなどして対処するとよいでしょう。

海外法人設立によるFX節税のデメリット・リスク

海外法人を設立することでFX節税を図れる可能性があります。しかしながら、海外法人設立や海外でのFXはデメリットやリスクもあります。特に海外での法人設立・運営や納税は、現地のルールを適切に理解していないと難しいため、難易度は高めです。

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海外の税制や国際税務を正しく理解する必要あり

日本でも税制は非常に複雑ですが、海外では言語の壁や無知も加わるため、さらに難しく感じます。各個人が短期間で完璧に理解するのは困難といわざるをえません。しかしながら、こちらが無知であったとしても、間違えて実施した税制申告に対してペナルティが科せられる場合もしばしば。

海外で法人設立や税申告の際には、現地のルールに精通した代行や専門家に相談しながら進めるとよいでしょう。

法人維持にコストがかかる

法人設立は、国ごとに決められた手順に従って実施すれば可能です。1回だけのことなので、代行に依頼してしまう手もあります。しかしながら、FX節税を長期で享受するには、海外法人を維持し続ける必要があります。

海外法人の維持には、ライセンスの更新や会計・税務手続きなどの費用が掛かります。国によって異なりますが、年間で100万円以上必要な場合もあります。そのため、海外法人設立によるFX節税は、ある程度大きな利益が見込まれる場合に限定したほうがよいでしょう。

形だけの海外ペーパーカンパニーはリスクが高い

海外法人設立の1つに、海外ペーパーカンパニーの設立があります。ペーパーカンパニーとはその名の通り、紙のようにペラペラな会社のことで、法人登記はしてあるものの活動実態がない会社を指します。

これまで見てきたように、FXの法人口座を開設する、もしくは会社設立後に移住するためには、何らかの会社を設立する必要があります。その際に選択肢になるのが海外ペーパーカンパニーの設立です。

上記の目的を達成するためには、確かに海外ペーパーカンパニーでも問題はないといえます。FXプラットフォームも、ビザを取り扱うイミグレーションも、会社の活動実態までは調査しないことがほとんどです。

ただし、海外ペーパーカンパニーは、法人維持に思ったよりもコスト(費用および手続きに費やす時間など)がかかります。そのため、海外ペーパーカンパニーを設立して節税しても、それ以上の負担がかかってくる場合があります。また、場合によっては税申告の不備などで追徴課税を科される場合も。

もし海外ペーパーカンパニーを設立するのであれば、その国の法人設立および維持に精通した代行会社や専門家の助言を受けつつ進めるようにしてください。

海外法人の設立は代行利用がおすすめ

海外法人の設立は、外国語での様々な手続きが必要なことに加え、不備によるペナルティなどのリスクも含んでいます。自身で積極的に法人運営するのであればまだしも、FX節税のために形だけの法人を作る場合にはより慎重に計画を練る必要があります。

もし自身だけでの対応が難しければ、その国の法人設立や運営に精通した代行会社を利用するのがおすすめです。もちろん一定額の費用はかかりますが、各種業務にかかる時間を削減できること、またペナルティを受けるリスクを大幅に減らせることは、大きな魅力といえるでしょう。

代行や専門家の助けを借りつつ、ぜひ海外法人設立を活用したFX節税にチャレンジしてみてくださいね。

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